第64章 お出迎え
三成が秀吉の御殿へ行くと、葉月が出迎えた。
「え…と、お…おかえりなさいませ」
恥ずかしがるもののきちんと頭を下げて出迎える姿に、三成は微笑ましく見る。
「ただいま戻りました、葉月さん」
頭を下げた葉月と、しゃがんで同じ目線になり、顔を上げた葉月の唇に、かすめるように三成は口付けをする。
「み…三成様…」
瞬間、赤くなって自分の口元を覆う葉月に、三成はくすくす笑う。
「愛しい葉月さんにいつでも触れたいのですよ」
「う…」
葉月は言葉が出ない。
やっと言い返した言葉も、抗議にはなってなかった。
「三成様…かっこよすぎて、困ります…」
「葉月さんは可愛すぎて、私も困りますね」
即、返され、ますます葉月は言葉に詰まった。
夕餉は二人で葉月の部屋で摂った。
竹に乞われて葉月が作った里芋の煮物が、三成には美味しく感じられる。
「そうですか、この煮物は葉月さんが作ったんですね」