第63章 御殿へ帰る
軍議も終わり、秀吉と三成は途中まで一緒に御殿への道を歩く。
「三成、後でこちらに来るのだろう?」
「はい、葉月さんと夕餉を一緒に約束しました」
「そうか、信長様のおっしゃった事を伝えたら、驚くけれど喜ぶだろう」
「そうですね。でも秀吉様はよろしいのでしょうか?」
「何がだ?」
「葉月さんを養女とし、豊臣の姫として私のところに葉月さんを嫁がせる、という事をご了承くださってますか?
信長様がそうおっしゃったから、そうせざるをえないという事ではないでしょうか?」
三成は不安そうな表情をし、秀吉を見る。
秀吉は一笑し、三成の不安を吹き飛ばす。
「それは問題無い。俺としては今朝、葉月にこうなったからには早く三成の御殿へ移してやりたいが待つように、と話したばかりだったからな」
「そうですか、ありがとうございます」
三成が丁寧に礼を述べる。
「それはそうと、葉月が俺とおまえに話しがあると言っていたぞ」
「…何でしょう?」
「とにかく話しがあるし、夕餉も摂るなら早くこちらに来たほうがいいな」
「かしこまりました。自分の御殿へ戻ったら用件を早急に片付けて、秀吉様の御殿へ伺います」
「おう、待ってるぞ」
そして二人は分かれ、それぞれの御殿へ向かう。