第62章 信長に話す
「信長様、確かに葉月さんは町娘です。
しかし私は葉月さん以外のかたを娶るつもりはありませんし、妻として迎えたいのも葉月さんだけ、です」
「…ほう」
信長が三成を見つめる。
三成はその信長の赤い瞳を真正面から受け止める。
信長も三成の紫の瞳を見据え、思案するようだった。
「それならば…」
信長は一瞬の思案の後、口を開く。
二人の他、政宗達も信長が何と言うのか見守る。
「簡単ではないか」
信長はあっさりと言う。
「…は?」
秀吉が信長の顔をまじまじと見る。
「秀吉、その娘をおまえの養女にして、豊臣の姫として嫁がせれば良いであろう?」
秀吉はその言にぽかんとし、すぐ表情を改める。
「それで良い、のでしょうか?」
「別段問題はなかろう?」