第61章 真実を竹に
「塗ってみますか?」
リップブラシを出し、ベージュの色を付け、竹の唇に丁寧に塗り、鏡を見せる。
鏡も嘘のようにまぶしく、明るくけざやかに人の顔を映す。
「まぁ…こんな色、初めてよ…?」
「ふふ、ベージュ…いえ、肌色に近い色味、お似合いですね、竹様」
あれこれ持ち物を見せた事から、竹は警戒心を解いたようだ。
「葉月さんがこの時代の人でない、という事はわかりました」
「信じて、もらえますか?」
「信じるしかないでしょう?こんな見た事のない物ばかりを見せられて…」
春に続いて竹にも自分の事を教えた。
そして、次は、秀吉と三成に、同じ事を言わなくては。
「お戻りになられたら、秀吉様と三成様にも説明します」
竹に言っておいた。