第60章 桃色な空気?
全く二人の様子は初々しいとしか言いようがない、と秀吉は思った。
竹も二人の様子を見て、微笑を浮かべていた。
「秀吉様、では後程お城にて」
「ああ、俺も支度を終えたら登城する。後でな、三成」
「葉月さん、また後で」
「はい、いってらっしゃいませ…」
きちんと三成に挨拶する葉月に、秀吉は町娘でありながら、そういえばどこでこういう行儀作法を身に着けたのか、と、ふと疑問に思った。
「葉月」
秀吉は声を掛ける。
「はい…?」
秀吉に呼ばれ、葉月は何だろうと不思議そうな顔をする。
「聞きたいのだが、おまえ、どこで行儀作法を身に着けたんだ?
どこかの屋敷へ奉公へあがった事があるのか?」
突然の質問に、目をぱちくりさせて秀吉を見る。
「え…別に奉公はした事ありませんけれど…」
「ではどこで行儀作法を覚えた?」
「行儀作法…例えばどんなものですか?」