第60章 桃色な空気?
朝餉の後、三成は自分の御殿に戻る為、すぐ秀吉の御殿を出る。
一夜を過ごした二人の姿を見ようとしたのか、秀吉も三成の見送りに出てきた。
「秀吉様、おはようございます」
三成が秀吉に気が付いて挨拶する。
「ああ、おはよう」
「おはよう、ございます…」
葉月も恥ずかしそうにしながら挨拶した。
「葉月、からだは大丈夫なのか?」
秀吉としてはたいした意味はなく声を掛けたつもりだったが、葉月は真っ赤になって俯き、三成が代わりに応える。
「秀吉様、葉月さんは激しく動かなければ大丈夫です」
「はげし…っ」
三成の発言にかえって驚いて、葉月はこれ以上ない程赤くなる。
「そ、そんな言い方…恥ずかしい、です」
三成に抗議するも、桃色の空気が二人には漂う。
「ああ、わかった、わかった。二人とも朝から桃色の空気はさすがにやめてくれ」
「え…桃色の空気、ですか…?空気に色がついてるのですか?」
三成はきょとんとしながら聞く。
そのあたりは葉月のほうが気が付いて、赤くなりながらすみません、と言う。