第59章 朝を迎えて

「からだは大丈夫ですか？」

三成はすぐ葉月の事を気遣ってくれる。

「は、はい…なんとか…」

竹は二人の様子を微笑ましく見つめていたが、すぐ気が付いて話し掛ける。

「さ、ではお二人に朝餉をお持ちしましょう」

「あ、私もお手伝いを…」

葉月が言うが、竹は横へ顔を振る。

「葉月さんは動くのがつらいでしょうから、このまま部屋でやすみなさい。
でも出来そうだったら、夕餉の支度は手伝ってくださいね」

「はい…」

竹は部屋を出てしばらくすると、もう一人の女中と二人で朝餉の膳を運んできた。

「どうぞ」

支度をすると二人は出て行く。

「葉月さん、いただきましょう。食べられそうですか？」

「大丈夫、です…」

三成が座るのを見て、葉月も膳の前に座る。

二人で粥を食べ始める。

綺麗な食べ方をする三成を見て、やはり何だかんだ言ってもきちんと教育されてきた武士なんだな、と感心する葉月。