第58章 初めての朝
気が付くとそのまま二人は眠っていた。
まぶしい光が襖越しに感じられ、三成はふ、と目を覚ます。
眠る葉月が横にいる。
初めて会った時から葉月か何故か気になり、それが恋からきたものだとしばらくして気付き、恋はすぐ愛になり、その愛は自分のものになった…
三成は微笑むと、眠る葉月の額に、そっと口付けた。
しばらくすると、葉月も目を開ける。
「…ん…」
しばらくぼんやりとし、はっと気が付くと、布団をめくり中を見る。
「…どうしましたか?」
先に目覚めていた三成は尋ねる。
「…あ、あの…え、と…血で汚してしまいました…」
破瓜の血で布団を汚してしまった、と言いたいらしい。
どうしよう、と動揺する姿も、初めてを自分のものにした証で、愛しい。
「大丈夫ですよ、新しいものは秀吉様に言って、私が用意しましょう。
それより、からだは大丈夫ですか?」
言われて、もぞもぞと動き、ぴたりと動きを止めて、恥ずかしそうに葉月は言う。
「あの…何か、その…挟まっている感じが…残ってます…」
三成はその様子が愛しくてぎゅっと葉月を抱き締める。
「ああ、本当に、本当に、初めて男を迎えたんですね。嬉しいですよ」
葉月は赤くなって抱き締められるままになっていた。