第57章 初めて(R18)
-違う。
-『初めて』の時は、うんと相手の人から優しくしてもらうの。
葉月が思い描いていた、いわゆる処女喪失の様子と違う展開に戸惑うものの、三成が自分の事より葉月へ気遣ってくれるのと、初めて出会った時から親切にしてくれた様子と、さまざまな事を思い出し、三成から愛されていると感じ、初めての相手が三成で良かったと心底思い、感極まって涙が流れた。
「うれしい、んです」
涙のすじが残ったまま、葉月は三成に言う。
「初めての相手が、三成様で良かった、です…」
痛みで褥を握ったまま、でも、気遣いをさせまいと葉月は微笑む。
「…」
三成は驚き、そして瞬時に目元を赤らめ、葉月を抱き締めて言う。
「どうして、そんなに葉月さんは愛おしい事を言ってくれるのですか」
三成は顔をあげて、葉月に口付けをする。
「この想いの全てを貴女に注ぎ込みたい…」
「…はい」
小さく甘えたような声で葉月は応える。
その応えに対し、からだの中へ三成の熱はゆっくりと進み、やがて全て、つながる。
「…はあっ…葉月さん、痛くないですか?
貴女と私、ひとつになりましたよ…」