第57章 初めて(R18)
ゆっくりではあるものの、今迄感じたもののない場所の痛覚を葉月は覚える。
「あ…い…た…っ」
「痛い、ですか?」
三成が挿入を止めて、すぐ気が付いて聞いてくる。
その紫の瞳は余裕の無さが揺らめいていた。
そんな瞳で見つめられ、自分の痛みより、三成の行為を優先させよう、と葉月は思う。
「だ…大丈夫、です…」
「そう、ですか…」
途中のまま、三成は葉月に色気を含んだ瞳で少し微笑む。
「また痛かったら言ってください」
「…はい」
そうして、また三成は挿入を続ける。
あの瞳は相当自分を我慢していた揺らぎ。
それでも葉月を優先して気に掛けてくれる。
葉月は三成がそんな状況でも、自分を大切にしてくれていると感じる。
その時、葉月の瞳から涙がひとすじ、ほろりと流れた。
三成はその涙を見て驚く。
「葉月さん、痛い、ですか!?」