第47章 書庫にて
翌日、秀吉は城で三成を見付ける。
相変わらず書庫でごそごそ本を探していた。
「三成」
「秀吉様、おはようございます」
まだ本に集中する前なので、挨拶が出来た。
なんとなく覇気があって、まとう雰囲気が違うような気がするのは気のせいか?
「三成、葉月の事だが」
「なんでしょうか?葉月さんがどうかしましたか?」
「いや、祭りに行ってどうだったか、と思ってな」
「どうだったか?私と葉月さんの事ですか?」
「え…あ…そう、だが…」
「早く私のものになって欲しいとは言いました」
「…は?」
率直な三成の言い方に、変な声を上げる秀吉。
「私が自分の感情に気が付いたんです。
葉月さんが好きだって。
それで葉月さんに、早く私のものになって欲しいと言いました」
「…それで葉月は?」
「ええ、自分の心がわからない、と言うので時を差し上げました。
けれどいつまでも待たされるなら、私は葉月さんを御殿へ連れて行く、と言いました」