第46章 好き?
嫌だった?
ううん、全然。
私は。
三成様を好き…?
「そうか、葉月は御殿へ戻ってきたのか」
戻ってきた秀吉は、竹に着替えを手伝ってもらいながら、二人の事を聞く。
「でも、お二人、仲は進展はしたようですね」
竹は二人の様子を思い出して言う。
「へぇ、進展はした、か」
「そうですね。三成様は葉月さんの両手を握って、何かを待ってますよ、とおっしゃってましたね。それからご自分を忘れないように、茶屋に行きます、ともおっしゃってました」
「あの色恋には無縁の三成がねぇ。
ずいぶん急激に男になったもんだな」
夜着に着替えた秀吉は最後に竹から、羽織を掛けてもらった。
「一献ご用意しますか?」
「そうだな、頼む」
竹は酒とつまみに、葉月が作ったというレンコンの味噌煮を付けていた。
明日、三成に、今日の事を聞くかな…