第46章 好き?
秀吉の御殿に戻ると、竹があらら、という顔付きで出迎えてくれた。
「三成様、今日はありがとうございました。
風車、大切にしますね」
葉月は帰る三成に挨拶して、風車を見ながら笑みを浮かべる。
三成は葉月の両手を握ると、紫の瞳で見つめる。
「葉月さん、待ってますよ?
私を忘れないように、また茶屋にも行きますから」
「っ、はい」
赤くなる葉月を見て笑みを浮かべ、それでは、と三成は自分の御殿へ戻って行った。
「夕餉は召し上がりますか?」
竹が聞いてくれるが、自分に今日起きた事を考えると胸がいっぱいで食べる気がしない。
「いえ…もう休みます…竹様、ありがとうございます。おやすみなさい」
自室となっている部屋へ戻り、着物をばさりと脱いで衣桁に掛け、夜着に着替え、褥を敷いて横になった。
『一日に二人の人から告白されて、三成様からキスまでされた…』
信じられないと、布団の中で反芻する。
富弥に触れられるのは、鳥肌がたって良い感じはしなかった。
三成様は?最初は手をつないで、次に腰に腕を回された。
抱き締められて。
キスを何度された?