第44章 三成の告白
三成の声が急に甘くなり、三成の唇が葉月の首をゆっくり触れながら移動する。
葉月の背中全体にぞわりと寒気が走る。
どうして?
優しい唇の感触に、からだが甘く悦んでいる。
はっきり言われてはいないけれど、三成に求められている…
でも、何故?
混乱で何も考えられなくなり、腕の中から逃れようとする葉月を、三成は更に強く抱き締める。
富弥の時とは違って、嫌な感じは全く無い。
でも、どうしよう…私は、自分の感情がわからない…
そう思っていると、三成が少しからだを離し、片手で葉月の頬を包む。
その三成の手によって、葉月の顔を少し上に向かせる。
混乱している葉月には、何が起きるのか一瞬考えが遅れてしまう。
二人の視線が絡まり、熱を帯びた三成の唇が葉月の唇へ降りてきた。
ちゅっ。
軽い音をたてて、唇が離れる。
三成の紫の瞳が熱をはらんだ色に変化していて、葉月は息を飲む。
「葉月さん、私は貴女の事が好きなんです」
富弥から言われただけでも驚きなのに、三成からも好きと言われるとは。