第44章 三成の告白
葉月の鼓動が早鐘のようになり、理由を聞くのがやっとの状態に陥る。
「…な、なんで…」
「自分でもわかりません。
聞いてもらえますか?
私は今まで勉強だけに熱中していて、女の人に興味がなくて、すぐ横にどれだけ美しい人がいて、そのかたがどうかしても気が付きませんでした。
でも貴女は最初から違った。
何故か貴女の事は目に入るんです。
普段も食事の味なんてどうでも良いし、よくわからないんです。
でも貴女の作った羊羹は、栗が入っているのがわかったし、味がわかりました」
そして、もう一度、三成は葉月の唇に、自分の唇を落とす。
「先程、風車を回して喜ぶ貴女を見て、ようやく自分の感情に気が付きました。
私は貴女を初めて見た時から、貴女に惹かれていたようです。
葉月さん、貴女が好きです…
私だけのものになって欲しいんです」
それから三度目の、さっきよりほんの少し長い口付け。
三成のキスは、葉月に困惑は与えたものの、嫌な気はしなかった。
「あ、あの…私、自分の気持ちがわかりません…」
富弥に言った事と同じ事を、まだ三成に言うしかなかった。
すると、三成も困惑した表情になる。
「それは…私を好きではないという事ですか?
では…あの富弥という男が好きなのですか?」
正直な気持ちは伝えなくては、と葉月は話す。