第44章 三成の告白
-そして、私が貴女を気に入っているなら、私にくださるとおっしゃった。
-だから、貴女は私のものなのです。
「だから私は三成様のもの、ってなんか変です…」
「どうしてですか?」
三成の当然のような表情に、葉月は困惑して泣きそうな顔になる。
「だって、信長様は、三成様が私を気に入っているならとおっしゃったのでしょう?
三成様は私を気に入ってもいないのに、自分のものになさりたいって…
私を用心棒にでもするつもりですか?それに、私は物じゃないです…」
ようやく、葉月の考えに気付き、三成はああ、と声を漏らす。
三成は葉月の側に寄り、そっと両手を葉月の背中へ回し、そのまま自分へ引き寄せ抱き締める。
「み…み、つなり、さま…?」
富弥の次は、三成に抱き締められる。
葉月は自分に何が起きているのか、理解出来ない状況になりつつあった。
「こう、したかったんです。しばらくこのままでいてください」
三成の穏やかな声がすぐ耳元で囁かれ、三成は顔を葉月の首元に埋める。
「あ…っ」
耳元で囁かれ、喘ぎに似た声が自分の口から漏れ出た事に葉月は恥ずかしくなる。
「良い声、ですね…このまま御殿へ連れて行きたくなります」