第41章 離れる
「それなら、一人じゃ帰るのも危ないし、俺に付き合ってくれるかい?
俺はもともと一人で来たから。そうしたら帰りは送ってやるよ。」
『…どうしよう、後で三成様、戻っていらっしゃるかな。
でもあれだけの娘さん達に囲まれたら、なかなか戻れないよね…』
葉月は逡巡し、そして富弥と行く事にする。
『しかたないか、このまま一人じゃあ、危なくて帰れないし』
「富弥さん、よろしくお願いします。」
挨拶をきちんとすると、富弥は目を細めて葉月を見た。
「よし、さ、行こうか」
ぐいと葉月の手をひっぱり、自分の側に引き寄せたと思うと、富弥は葉月の腰に腕を巻き付けて抱くようにする。
「あの…これは…」
戸惑う葉月に、富弥は笑って言う。
「このくらい、良いだろう?減るものでもないし」
『…どうしよう、三成様は良いけれど、この人にこうされるのは、あんまり…』
親切に帰りも送ってくれると言う富弥に、あまり我がままは言えないな、と腰に巻かれた手が本当は嫌なのに、嫌と言えずに、一緒に歩く葉月だった。