第41章 離れる
ところが。
「ちょっと、ちょっと、三成様よ!」
「本当!お珍しいこと」
「今日は織田の舞姫様がご一緒ではないのね」
「じゃあ、私達も一緒にお祭りを楽しんでくださる余地があるわね」
数人の町娘達がきゃあきゃあ言いながら、三成と葉月のところへ来る。
「三成様、こんばんは。今日はこのかたとご一緒なのですか?」
町娘の一人が挨拶して、隣に立つ葉月をチラリと見た。
「こんばんは」
葉月は急いで挨拶する。すると別な町娘が言う。
「貴女、春さんとこを手伝っている人よね?」
「は…はい、そうです」
良く知ってるなと思いながら頷く。
「三成様、このかたとばかりお祭りを楽しまないで、私達とも楽しんでくださいな」
「え、いえ、今日は…」
「いつもダメなんですから、今日は良いでしょう?」
強引な町娘達に囲まれ、三成は断りきれず、連れて行かれる。
「貴女は今まで三成様とご一緒だったのでしょ?
今迄独り占めなさったのだから、私達に三成様をこの後は譲ってくださいね」