第40章 秋祭り
-私は―
-初めから、葉月さんに惹かれていたのだ、としたら。
-言葉では言い表せられない、私の不確かな感情。
-その感情を葉月さんが知らぬ間に刺激し浸食し。
-葉月さんを求めていたなら、全て合点がいきます。
-信長様は、私が気に入ったなら葉月さんをくださると言った。
-そうですね、そうしましょう。
-でも、まだ、葉月さんの気持ちが、わからない…
三成は自分の説明出来なかった感情が、何なのか、ようやく気が付いた。
返事も無く、考え込む三成に、笑顔を消し、覗き込む葉月。
「あの、三成様?大丈夫ですか?具合、悪いですか?」
「…ああ、大丈夫です。ちょっと考え事をしてしまいました」
「それなら、良いんですけど…」
「もうちょっと見て回りましょう」
自分の気持ちに気が付いた今、すぐ側にいる葉月を自分のものにしたい。
葉月の全てを自分のものにしたい。
そんな願望が三成の心に沸き立つ。