第39章 三成のお迎え
「三成様がお越しです」
竹とそんな会話をしていたら、襖越しに三成が来た事を知らされる。
「さぁ、参りましょう。三成様がどんなお顔をなさいますかね?」
竹はまた声をたてて笑い、葉月を部屋から押し出すように廊下に追いやり、一緒に廊下を歩き葉月を三成の許へ連れて行く。
「三成様、お待たせ致しました」
竹が声を掛けると、ぼんやりと外を見ていた三成が葉月を見た。
「…!」
三成が息を飲んだのをはっきり竹は聞いた。
「葉月さん…」
三成がようように言葉を放つ。
「はい?」
普通に返事をする葉月。
「…とても、綺麗、です…」
三成の感嘆するような言い方に、葉月は途端に驚き、みるみるうちに赤くなる。
「あ、ありがとう…ございます…」
しどろもどろに礼を言う。
竹はそんな二人に声を掛ける。
「さ、ここに居てもしようがありません。お祭りにお出掛けくださいませ」