第6章 明智光秀
ゆっくりと近寄ってきた、光秀、と呼ばれた男を見て、また衝撃を走らせる。
『う、うそ…この人もタイプ違うけど、すごいイケメン!!』
銀髪がさらさらと顔周りを覆う。
細めの金色の瞳は下まつげがダントツに長い。
口元はうっすら笑みを浮かべて、いかにも腹の底はさらけ出さない、そんな様子を伺わせる男だった。
ぽかんと見惚れる葉月を見て、秀吉が苦笑する。
「おいおい、光秀、娘が見惚れてるぞ」
確かにイケメンを見て見惚れてはいたが、ただ、それだけだ。
慌てて葉月は否定する。
「おかしな事言わないでくださいっ。
お二人ともそのへんにいないくらいのイケメンだから、つい魅入ってしまったんですっ」
唖然とする秀吉と光秀。
「イケ…?なんだ、それ?」
秀吉が眉をひそめる。
「…よ、容姿端麗って事です」
急いで言葉を探していうと、光秀がふっと笑い、葉月に近寄った。
「…それは、男に使う言葉ではないな」
そして、唐突に葉月の頬をふわりと撫でる。