第37章 親の気持ち?
「ああ、茶屋の女将もけしかけたらしい」
「茶屋の?」
「秋祭りに行った事がないから、是非行ってこいと葉月に言ったそうだ」
「へぇ、茶屋の女将、なかなかやるな」
秀吉が感心した。
「じゃあ、俺は舞からの言伝を教えたからな」
政宗は秀吉にひらひらと片手を振り、御殿に戻るからと、去って行った。
「舞のところへ顔を出しておくか…」
秀吉は御殿に戻る前に、舞の部屋へ赴く。
「舞、いるか?」
「秀吉さん?どうぞ」
部屋の前で声を掛けると、舞の返答が戻ってき、秀吉はからりと襖を開けた。
「舞、政宗から聞いたぞ。骨折ってくれてありがとうな」
「ううん、羊羹もっと食べたかったから大丈夫。
あのね、秀吉さん。三成くん、なんていうか…すごいね」
「どう、すごい?」
舞の困惑に、秀吉は聞かされて納得した。
-葉月の笑顔を見たら、息するのを一瞬忘れた。