第37章 親の気持ち?
「秀吉」
舞の部屋を後にした政宗は、信長のところを後にした秀吉を見付けた。
「どうした、政宗?」
「舞から伝言だ」
「伝言?」
「三成が葉月を秋祭りに誘ったそうだ。
それでその日の夕刻、おまえの御殿に葉月を迎えに行く、と三成が話したらしい」
「へぇ、そこまで動いたのか。舞すごいな」
舞の手腕に感心する。
「だからその日は女中に言って、葉月をうんとめかしこませろ。
あいつ、元はそんなに悪くないから、綺麗にさせて、三成が襲ったら面白いだろ」
「…おまえ、それが目的か…?」
「そのほうが面白いだろ?」
「面白い…」
政宗の考えはかなり飛んではいるが、男と女であれば、なにがきっかけでどう転んでいくかはわからない。
「三成がどうするかは置いておいて、その日は葉月を綺麗にさせるよう、女中に伝えてはおくがな」
秀吉は腕組みして了解するが、首を傾げる。
「しかしよく葉月が行く気になったな」