第36章 伊達政宗
「秀吉さん、今、どうしているか知ってる?」
「ああ、秀吉は今、信長様に呼ばれてる」
「じゃあ終わってからにしよう」
「秀吉に何の用だ?俺は後で秀吉に会うから、何かあるなら伝えておくぞ」
「うん。秋祭りの日は、三成くんが葉月さんを秀吉さんの御殿に迎えに行くから、それを伝えておこうと思って」
「へぇ、それは重要だな。秀吉のところの女中に言って、うんとめかしこませろ。
それで三成に襲わせろ」
「…政宗…完全に二人で遊んでるね…?」
政宗の言い方に、舞は苦笑する。
「そりゃそうだ。久し振りにおもしろいものを見ているからな。
ああ、俺から秀吉には迎えの事を伝えておこう」
「じゃあ、政宗、お願いするね」
「ああ、その礼に…」
「え?」
あ、と思う間もなく、舞は政宗に口付けされていた。
「ん、もう、政宗!
唇に手を当て、政宗に抗議する舞。
「いいだろ、減るもんでもないし。
俺にとって舞の唇は柔らかくて、一番の好物だからな」
そう言って、政宗は舞の唇をもう一度自分のものにした。