第36章 伊達政宗
「三成くん、良かったね」
舞と安土城へ戻る道の途中、話し掛けられて三成はこくりと頷く。
「舞様のおかげです。ありがとうございます。
でも、本当にお誘いして良かったのでしょうか?
何だか気乗りしないようなお返事でしたし…」
舞はくすくすと笑いながら、三成に言う。
「きっと葉月さん、慣れてなくて、どうして良いかわからなかったんだと思うよ?」
「そんなものでしょうか?」
「そんなものだよ」
三成の言葉にかぶせて同意する舞だった。
舞は安土城の自室へ送ってもらい、三成はそのまま書庫へ行った。
それを見計らったように、政宗がひょっこり舞の部屋に顔を出した。
「おう、舞、どうだった?」
「成功。成功どころか、三成くん、秋祭りに葉月さん誘ったよ」
「えっ?秋祭りに誘ったのか?三成が!?」
政宗は舞の部屋に入り襖を閉めながら、三成の行動を聞いて驚く。
「へぇ、やる時はやるなぁ」
顎に手を当て、にやりと笑みを浮かべる。