第35章 秋祭りに誘う
三成と舞が茶屋の中へ入ったのを見て、何だろうと、春も中へ入ってきたのだった。
「ここの秋祭り、行った事ないだろう?
石田様に連れて行っていただくと良いよ」
「でも茶屋のお手伝いは…」
「祭り自体は夕刻からが本番だから、早めに茶屋を仕舞いにすればいいさ」
「春さん…」
「石田様、この子、祭りに行った事がないんです。
連れて行ってあげてくださいな」
「はい、勿論です。葉月さん、案内しますよ」
「…はあ…では、よろしくお願いします…」
舞の提案に、春からの後押しもあって、二人で秋祭りへ行く事がこうして決まった。
「では、その日は秀吉様の御殿へお迎えにあがりますね」
「…はあ…よろしくお願いします…」
同じ答えしか出てこない葉月だった。