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心のキャンバス

第4章 私の色


30分程経っただろうか。
下書きを終えたようだ。

『これが下書き?』

キャンバスには、下書きの為に
薄めに描かれているが…
これだけで十分、と言って良い程の出来だ。

「これは、何を描いたんですか?」
「俺のお気に入りの場所。」
「…屋上ですか?」
「よく分かったな!
 あそこ、立ち入り禁止なのに。」
「入学してすぐに、担任の先生が校内案内で
 連れて行ってくれました。」
「なるほどね。」

『でも、立ち入り禁止なのに
 どうやって入っているんだろう…?』

私が考えていることが分かったのか、
先輩はポケットから、何かを取り出した。
どこかの鍵のようだ。

「え、まさか…?」
「そ、屋上の鍵。と言っても、
 合鍵を作ったんだけどな。」
「合鍵!?どうやって作ったんですか!?」
「美術室の鍵を借りるついでに抜き取って。」
「ええ…。」

『やることが大胆過ぎる…。』

話は逸れたが、今度は私が描く番だ。
私は鉛筆を借り、キャンバスに向き合った。
目を閉じ、何を描こうか考えた。

『私の描きたいもの…。』
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