第4章 私の色
「じゃあ、今日はここまで!」
「「「お疲れ様でしたー!」」」
今日は絵の具や筆の説明をされて、
実際にそれを使って絵を描いた。
元々やっていたのもあって、
スムーズに終わった。
「あら、藍ちゃんはまだやるの?」
「はい、もう少しやったら帰ろうかと。」
「そう、じゃあまたね!」
「さようならー。」
先輩達が帰ると、私は奥の方へと向かった。
昨日、一希先輩が描いていた場所に。
私は、もう一度あの絵が見たかったのだ。
物で隠されていて分かりにくいが、
奥に行くとまるで一希先輩専用みたいな
スペースが空いている。
そこには先輩の荷物が適当に置かれていた。
『整理整頓の出来ない人だな…。』
さすが男子と言うべきなのか。
そして、中央にキャンバスがあった。
布が掛かっている。
私は、布に手を伸ばそうとした時――――