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既知ですが、あれから私は諜報員です。

第2章 2人で乾杯


私もレンも自分の部署の話に
華を咲かせる


「……それで、エリオットの寝てる顔に
みんなで落書きしたの!」


お酒がまわって気分が陽気になる
でもレンはいつもと全く変わらない
不思議だなぁ


「それは面白いね
ホールさんも落書きしたって所が」


目を細めて嬉しそうに笑ってくれるレン
2年前より少し大人びた顔は
より美しく
10人とすれ違えば10人振り返る
そんな言葉を付けてもいいくらいだ


「じゃあ今度はレンのお話聞きたい」


「もちろんだよ
ちょっと前にね面白い薬品が完成したんだ」


レンのいる化学研究班は
薬品の研究、制作、実験などが主
ホールさんはお世話になっていて
「強力不眠薬」をよく貰っている

ホールさん自身が飲んで仕事を徹夜したり
もしくは誰かに飲ませたり…


「へぇ、今度は何を作ったの」


「媚薬だよ」



…媚薬?

媚薬ってあの?

いやいや、まさか


「今のティナの思ってる事わかるんだけど
僕は夢小説読んでないから」


「さすがレンだね
何も言わなくとも伝わるなんて」


「はぁ、信じてもらえないのか
化学的に証明できる媚薬が出来たんだよ
好意の無い相手でも
脳を錯覚させてフェロモンが…」


と、つらつらと説明し始めるレン
どうやら本当に作ったらしい

ただちょっと疑問なのが


「その媚薬、誰に飲ませるの
そもそも必要なの」


正直、媚薬無しで
今までの人生で
人を何人も惚れさせてきた私にとって
それは要らないと思う


「興味本位で作ったから
誰かに飲ませるなんてしないけど…」


興味本位で媚薬作るものなの?


「まあ、それはいいとして
サンプルたくさんできたから
今、持ってるんだよね、媚薬」


そう言ってレンは
小瓶に入った透明ピンクの液体を見せる


「誰かに飲ませる気満々じゃん!
私要らないから、レンが飲めば
実証すればいいんじゃない」


何も考えずにペラペラと喋る
すると、今までお酒を飲んでも
特に変化が無かったレンが
急に慌て始めて


「えぇ!?これ僕が飲むの!?
媚薬を!?今!?
いやいや、おかしいでしょ …って
あれ、ちょっと待てよもしかしたら…」


レンは少し考え込んだ
そして、

いきなり私のグラスに媚薬を入れてきた
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