第2章 2人で乾杯
流石、美味しいワインだ
一口含んだだけで、いつもと違う
少しクラクラするような…
………………………ん?
………まさか
「あれ?気づいた?
お味はいかがですか〜 ってきいてる?」
頭の中がぐわんぐわんする
何も考えられない
咄嗟に隣にいるレンにしがみつく
「………っはぁ、はぁ……」
「あ〜〜配合間違えたかな?
こうならないはずなんだけど………」
レン… レンのバカ…
「効き目の遅い媚薬のはずなんだけど」
……やっぱり!!!
「…………は、やく………なんとか……して……」
「……苦しいの?」
身体が熱くなる
レンの温もりに触れると…余計に
「それなら、いい解決方法があるよ…」
レンはそう言いながら私のワインを飲んだ
「うっ………ほ、らね…
僕もティナと同じ……」
レンにキツく抱きしめられる
逃げられないと暗示しているように
あぁ…レンも熱い… 私も熱い…
もう遅いのだ
私は限界がきて意識を手放してしまった
二人で乾杯したグラスは
とうに床に落ちて割れて
紅く綺麗なワインは血と混ざりあっていた