第2章 2人で乾杯
「これはこれは、何か御用で」
幹部らしい人間がいる中で
奥にいるのは… 間違いない
「ええ、用があるからここまで来たんです
お分かりでしょう?」
「情報漏れか
警察じゃないとすれば…
あぁ、もしかして貴方が〝噂の諜報員〟で」
ターゲットのボスは余裕の笑みだ
絶対勝てる自信があるんだろう
「手下の奴らはもう倒したという事か
やはり噂は本当か
どうだい?lexxなんて辞めてこっちは」
相手は10人…いやもう少し多い
レンとは二手に別れたから
レンと2人ならまだしも
この状況で
10人強が危険物の武器を使われては…
「はは、まさか ありえないですね
ここのボスを連れ去る事が仕事なので」
「…やれ」
ターゲットの小さな合図で
先ほどとは考えられないくらいの爆音が響く
いきなりそのマシンガン使う…!?
オリヴァーなら大喜びするだろうな
扱いが難しいって教えてくれたんだけど…
ああ、やっぱり使いこなせてない
危険すぎる武器も使いこなせないようじゃ
意味がない
…私の方が強いな
飛び交う銃弾を避けて
1人、また1人… と確実に倒していく
正直、ボスと私の会話を聞かれたくない
「…お遊びは楽しいですか?」
…まずいっ!
ボスまでも武器に手を…!
あいつはダメだ
他の連中とは違って武器の扱いが…!
頭スレスレの所で銃弾を避ける
1対1というのに
先程とは比べものにならない強さ
私は逃げることしか出来ない
相手の持ってる武器が武器だから
手元にある銃じゃどうしようもない
今の中距離だと確実に相手が有利だ
となれば、私の持っている短剣で刺す
…故に近距離戦にどうにかしてもっていければ
あぁ、もう!!
休む間もなく弾は私を狙う
これじゃ迂闊に近づけない…
どうすれば…
「〝噂の諜報員〟は1人だけじゃありませんよ」
しっかりと
聞き覚えのある声がボソッと聞こえた
あぁ、やっぱりこうでなくちゃね
ターゲットは私に狙いを定めている
その背後に既にまわり込んでいる
「ヴッ……!」
レンがターゲットに背後から蹴りを入れる
「レン…! ナイスタイミング!」
駆け寄ると
ターゲットは泡を吹いて倒れている
「ティナの事だからね
こんな事できるの双子同然の僕達だけだから」