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既知ですが、あれから私は諜報員です。

第2章 2人で乾杯


ターゲットもその手下も
全員を確保する事ができた

殺さないように
手加減はしたはずなんだけどな
誰も目を覚ます気配がない


「ティナまさか殺しちゃったの?
ターゲットは連れて生かせるんでしょ?」


「いや、そんなはずは…
そういうレンが殺したんじゃない?」


照明が比較的機能する明るい一室で
ターゲットたちの様子を伺う

まぁ、死んでしまった事は無い… はず
とりあえず調査偵察班に事後連絡を…


「ホールさん 夜遅くにすみません
追跡中の武器未申請グループを鎮圧しました」


「えぇ!? ティナ1人でやったのかい!?
女の子がこんな夜に
1人でやらせたくなかったんだけどな…」


「ホールさんお疲れ様です
僕とティナが食事中に
たまたま現れたので、2人でやりましたよ」


「レンもいるんだね それなら安心だ
今からそっちに向かうよ
そうだな… 恐らく調査偵察班より先に
騒ぎに気付いた地元警察の方が早いと思う
じゃあ、後でね」



あぁ… 地元警察の方が早く着くのか…


「結構厄介じゃない?
地元警察にターゲットたちを
渡したくないのもあるしね?」


レンの言う通りだ

その上誰も目を覚まさない
何も事情を知らない
地元警察が今の状況を見れば
私とレンが犯人扱いされても不思議ではない


「えー… 警察の中にlexxの人間がいれば…」


「おっ、こんな所に珍しいワイン発見
ティナも飲むでしょ?」


あ!ほんとだ!
なかなかの年代物の有名なワインだ

…………? いやでも…


「え…?今飲むの…?」


「だって少しは疲れたでしょ
はい、これティナの分」


そう言われて、レンからワインを受け取る
う〜ん… いい香りだ
私に負けた血なまぐさい野郎共を踏み
戦闘に勝った私がそいつらの上に座る


「格段に良いワインになるね」



所詮今の時代も〝弱肉強食〟

強くならなければ
強くなる努力をしなければ
生きていけない

また復讐も叶わない


そう… 恨みを晴らすための
これは只の〝通過事例〟にすぎない



昔、母上と父上がお酒を飲み
私も成人したら共に和気藹々と飲めると…

思っていた


「レン… 乾杯」


「乾杯」


再びカラン、とグラスのぶつかる音が響く
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