第2章 2人で乾杯
暗闇の中、壁をよじ登り
建物の窓から中の様子を伺う
「確認できる範囲で30人くらいだね」
「30人か…
隠れてたりしたらもっといるのか…
まあでも、レンならいけるでしょ」
「もちろん
ティナも問題ないでしょ?
…っていうかさ、相手の武器の量凄いね」
「所持するには申請が必要な武器も
あいつらは持っている
ただ、それは未申請で
何をするか分からないから
調査偵察班が追っているんだ」
相手の武器は危険なものばかり
私とレンはいつもの銃を構える
普通なら勝てないだろう
でも私とレンは違う
ーーーッパリーン!!!!
「誰だ!!」
窓ガラスが派手に割られた音に驚き
奴らは侵入者を探す
…っと、その前に
「うっ………」 「ぐはっ………」
バタバタと男たちを倒して行く
照明は元々薄暗く
ハッキリと人の顔を確認できないのだろう
「武器を持て!逃げるぞ!」
「「逃がさないよ」」
逃げようとした奴らの急所を銃で狙う
これで脚が動かなくなるはずだ
残りの男も少なくなり
一気にかたをつけようと
レンと背中合わせになる
「相手が弱すぎる
何か隠しているのかもしれない」
レンがひっそりと私に告ぐ
確かにそうだ
もう少し抵抗してもいいだろうに
…………まさか
「こいつら全員、囮だとしたら…
こちらのボスは…」
そこでやっと気がついた
危険な武器を
大量に所持しているグループの
ボスが見当たらない事に
「レン、こいつらは
私たちをボスの元へ向かわせない為の
時間稼ぎの下っ端
…本命のボスを捜さないと」
レンと一瞬目を合わせる
これだけで全て伝わるのだから
残っていた男たちを瞬時に蹴散らし
廃墟のような工場を走り回る
人工的な灯りはなく
壁の隙間からもれる
白い月明かりが見えるだけ
さっきの所にも武器は山ほどあったが
国に申請をしなければいけない
武器はそこには無かった
…という事は
ボスのいる所に…
ーーバン!!!
錆びたドアを蹴破る
そして、瞬時に銃を構える
目の前の薄暗い一室には
先程とは比べ物にならない
危険すぎる武器が山のようにあるではないか