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既知ですが、あれから私は諜報員です。

第2章 2人で乾杯


男達がもと来た道に帰っていき
私とレンはようやく離れた


男達を追ってる時は
完全に酔いが覚めていたのに
レンとキスしてからは
再び酔いがまわってきたような
甘い痺れが残る


「…無理させてごめん」


先程の噛みつくような
荒々しさとは違った
優しく包んでくれるように
私を抱きしめてくれた


「…レンはすごいね
私、レンよりも現場行ってるけど
こんな回避の方法あるって気づけなかった」


呼吸を整えながら
私はレンに伝える


「そう?
じゃあキスして相手を回避できたの
これが始めて?」


「うん、そうだよ
これから使ってこ…」


「それは駄目だ」


間髪入れずに
レンが私に強く言う


「…仕事だから
しょうがないんじゃないの」


レンに先程言われたまま
そっくりそのまま返す


「本当はこんなハズじゃなかった…」


ボソッとレンが何か言ったが
聞き取れなかった


「…ティナ行くよ」


レンは強引に話題を終わらせ
裏路地を進んでいく


「えっ、あぁそうだよね」


先程の甘いような

…でも兄妹同然の関係があるから
甘くないような

そんな不思議な雰囲気は消えて
男達が去った方へ急ぐ


「ティナは今インカム持ってないの
調査偵察班に連絡した?」


「現場以外はインカム使わないよ
連絡は…
事後連絡でいいかな」


「…わかった あいつら絶対に逃がさない」






古びた工場のような建物に辿り着く
恐らく廃墟で今はもう使われていない


「どうする?
初めて見た建物だから
構内図とか全く分からないけど」


「レンも私も
同じ所から突入した方がいいんじゃない
レンと一緒ならなんだって成功する
例え敵が100人でも」


「やっぱりすごいね
僕も同じ事考えてたよ
双子同然の僕らのコンビネーションを
あいつらに見せてやろう」


…もちろん
最初からそのつもりだよ


という言葉は言わずに飲みこみ
チラリと目を合わせアイコンタクトをとる

多分 いや、確実にレンに伝わった



どんなに調査偵察班で
誰かとペアを組んで現場に行っても

私にとってはレンが最高のパートナーだ


…レンのそのイヤーカフ

私も同じの付けてるけど

レンのは最高に似合ってるよ
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