第1章 日常/鬼灯の冷徹/白澤/裏/対モブ女
「僕も今は 焦らされたくない気分」
「は、はやく………」
女が上半身を起こせば丸い乳が誘うようにふるんと淫靡に揺れていた。跨る格好で首裏に両腕に巻き付けられる、耳元で囁かれる声は ぐずりと湿りきっていてぞくぞくしてたまらなかった。
反り立つ自身に女の秘所がくちゅんと触れてくる。体液が混ざる様を愉しむよう、白澤は女の細腰を片手で押さえ 先端部で円を描きながら膣口を何度か撫で回した。
「白澤様を、ください…っ」
「こう?」
「んっ…!全部、奥まで」
「……いいよ。」
女の腰を引き、自身の下半身をぐいと上へ擦り付けた。女の身体は固くも良く湿っており 一瞬の摩擦がぞくりと背筋を撫でる。高い女の声は この爽やかなる朝には実に卑猥で 妙な背徳感すらある。
「あっあぁっ、はくたく、さま…っ」
「届いたね 奥まで」
「やんっ、あっ…!!」
ぐんと腰を打てば女の背はしなるばかり。ただその刹那、白澤の瞳が一気に細められた。
外よりとことこと一定のリズムで聞こえる足音はここの従業員の侍女のものだろう。実に迷惑な事に今朝に限って随分と出勤が早いではないか。
出来れば今 膝の上で喘ぐ娘を2、3度達せてやった後に放出しようかと目論んでいたのにこれでは飛んだ計算違いだと心で悪態をついた。
白澤は片手で女の口を覆った。咄嗟のことに驚いたのか、女は涙の溢れそうな目を真っ直ぐこちらへ向けてきた。目尻に唇を寄せた後、白澤は低く囁いた。
「声、…我慢してて」
「んっ、んん」
「店のコが来たみたい。気付かれないように」
口元を覆った手をあえて離し、女の上半身を自身の方へぴたりと抱き寄せた。もし仮に、見つかったとしても部屋の入り口からは女の顔が見えないようにと せめてもの配慮のつもりだった。挿入角が変わるだけでも酷く感じてしまうのか、女は耳元で苦しそうに声を噛み殺していた。
「んっ…ぁ、……っっ」
「うわ、やらしーい 我慢してる声」
「ンン、……っ…だめ」
「いい子。我慢我慢」
白澤は寝具の上に脱ぎ捨てられた自身の白衣に手を伸ばす。それで女体をふんわり包むと両腕でぎゅうと抱きしめた。
「…は、白澤さまの、いい匂いが…するっ」
「シイ。声は我慢ね」
あやすように一度だけ 唇にちゅうと吸い付いた。頭をぽんぽん撫でた後、再び女の中を堪能していった。