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〈短編〉気まぐれに色々

第3章 夜伽/犬夜叉/殺生丸/裏(発情期妄想)/妖怪夢主


繭の顔には戸惑いにも取れる表情が張り付いた。だが生憎、それを汲み取る余裕も義理も、今の殺生丸は持ち合わせてはいなかった。

「逃げたくば、死に物狂いで逃げてみよ」


繭を何度か突いた後、殺生丸は欲を吐き出す。注がれる精液を逃さぬよう、繭の身体は殺生丸を手厚く包み続けている。
たらりと溢れる白いものは腿から膝までを暖かく汚していた。

「殺生丸さま………」

「どうした。足りぬか?」

耳元にじゃれつき、戯言を静かに囁いてみる。熱を手放した直後の殺生丸はすっかり丸みを帯びていた。

自らの色に染まった女の泣き顔が見たくなり、繭の顔を引き寄せる。快楽の余韻を残すべく深く繋がったまま、目元の涙を舐め拭った。ぴくりと繭の腰が揺れる。

「………っ」

「欲しいならば、自らねだってみるか」

そう淫らに誘いかける。それなのに。

「お気持ちが鎮まりましたら…どうか、もう…ご容赦を…」

繭の涙は後を絶たなかった。綺麗な顔を濡らす雫は儚げで艶々しく満足感を得られるのに、急に深い温度差が見える。

ちりちりと身体の芯が熱をぶり返す。そもそも、繭の願いなど聞き入れる筋合いもない。

「この殺生丸に意見する気か」

殺生丸の声色に苛立ちがみえた。唇から、一瞬だけ尖る歯が覗く。

殺生丸は繭の身体を草の上に組み敷した。

「……っ、………、」

視線が強く噛み合った。この後に及びどこまでも汚れ知らずなふりをする繭の瞳は、諦めの色を浮かべながらこちらの出方を伺っている。
白い肢体は着物をはだけさせたまま 玉の汗を帯びている。濃密な雌の匂いがむせる程鼻についた。

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