第3章 夜伽/犬夜叉/殺生丸/裏(発情期妄想)/妖怪夢主
月夜の丑三つ。大きな木の幹に熱い身体を寄せたまま。
「……っ、……ん」
後ろから、ゆっくりと殺生丸の熱が繭の中に埋まる。その圧倒的な質量に身が締まり繭の腰が引けるが、殺生丸はそれを気にする素振りもなく自身を奥まで突き付ける。
きつく圧迫してくる肉の感触は理性を溶かしてしまいそうで 殺生丸は眉を寄せる。雄の欲を受け入れる繭は折れそうな腕で幹に縋り、肩は小さく震えていた。
殺生丸は繭の耳元へ唇を寄せる。その囁きには少しだけ濡れた艶がある。
「契りを交わすのは初めてか?」
「………っ」
「答えろ」
「………ええ。さぞや多くの、浮名を流しておいでであろうあなた様と違い…」
「ふん」
皮肉にも取れる回答だが孤高の姫には好きに想像させておけばいい、殺生丸はそう判断し否定も肯定もしなかった。微かに湿る愛液を馴染ませるよう、ゆるりと腰を動かした。柔らかく、衣が擦れる音がする。
「ん………っ、く」
未体験の感覚が内側から繭を襲う。漏れる喘ぎを噛み殺している吐息は たまらなく色香を秘め、殺生丸の鼓膜を犯した。
後ろから、背中を半端に隠す着物を乱し 爪先を繭の白肌に落とした。指の腹で背筋をなぞるとそこは弓のようにしなり、描かれる影が色を増す。
「っ…………、は」
繭の中は次第に熱を上げてくる。生き物のようにどくどく脈打ちながら じわりと愛液が絡みつく。震える細腰がいじらしくてたまらなかった。
刹那、殺生丸の呼吸が揺れる。誘われるまま腰を抜き、破裂しそうな自身を繭の奥まで埋め直した。
「その身でもって、私を悦ばせてみろ」
そもそもこれは本能からおこる欲求に従っているだけで、思いのままに繭の中を貪っていれば早くも昇りつめてしまいそうだった。殺生丸は繭の腰を押さえ、前屈みに身を預けた。
強い圧を受け、雄はますます膨張する。殺生丸の様子を敏感に感じ取り、繭は潤む目を開く。
ここで初めて首を回し、殺生丸を振り返った。