第2章 戦国武将
「 お、目覚ましたのか。お前…三日間も寝てたんだぞ?大丈夫か?」
突然、障子が開いたかと思えば
片目に眼帯をした人が部屋の中に入ってくる。
お盆に水が入った湯呑みと替えの包帯が乗せられていた。
「 喉乾いてるだろ?水持ってきたからこれ飲め。今から家康呼んでくるから…ちょっと待ってろ。」
そう言って、湯飲みを俺に渡し部屋を出て行く。
ー 家康って…いや、まさか…
手に渡された水を口に運ぶ。
カラカラに乾いた口内が
一気に潤って行くのがわかった。
そして三日も眠っていたからなのか
クラクラと視点が少しおぼつかない。
『 ……ぁー、いっ…ゴホッ!』
声を出そうとしても
痛みが走る。
開いたままの障子に目線をやると
障子の向こうは丁寧に手入れされている庭が見える。
現代ではこんな場所、なかなか無いに等しい。
ー やっぱりそうなのか…?
色んなことが脳裏をよぎる。
あの時、確かに電車に乗っていたはずの
自分が知らない場所にいると言うこと、
高い高層ビルも騒音も
行き急ぐ人集りもない。
ー ここは一体…どこなんだ…