第5章 素質
「 俺は今から信長様の所に行ってくるから、
着替えたら部屋に戻れ。」
『 …あぁ、』
ゆっくり休めよ、と言って
秀吉が部屋を出て行くのを見届ける。
手に渡された手拭いで
拭いきれなかった汗を拭く。
ー 疲れた…
規則的に起きる発作のような症状。
新月と満月に来ることがわかってから
構えていてもその後の疲労感が拭えない。
何とか着替えて部屋を出るも
次は眠気がドッと押し寄せる。
ー ダメだ…
自分の部屋まであと少しと言う所で
縁側の柱になだれ込むように座る。
ー夏だし…な、
そう思った矢先に意識がそこで途切れた。
翌日、騒ぎになることも知らずに…