第4章 これから
ー そう言えばこの時代は
服装も身分によって位があったはず…
『 …わかった。何から何まですまない。』
「 あらたはあの人の命を救ったんだ。
これぐらい当然でしょ…
もっと我が儘言って困らせるぐらいしないと。」
なんでこんな無欲なんだと言わんばかりの
不満そうな顔つきで家康が話す。
『 じゃあ…お言葉に甘えて我が儘を一ついいか?』
「 おーお前の我が儘なんてどうせ我が儘のうちに入らないからな。」
そうケタケタ笑いながら
どんどんと主人に反物を渡す政宗。
着物を仕立てる為に反物を買うらしく
それを受け取ると、
反物を抱えてまた奥の部屋へと消えて行く。
ー この時代の服装なんて
授業で習うわけないしな…
パッといくつも広げられた反物を見る。
派手目のものから地味目の色まで
流行りだとかこの時代にもあるのだろうか、
そんな事は自分の居た時代でも疎かった。
白いTシャツや黒、グレーなど
無難な色しか着ていない。
ふと、あることを思い出し
反物を一つを手に取る。