第4章 これから
家康はと言うと俺が医者の
見習いと言うのを聞いてからか
ちょこちょこ来てはお互いに医療についての話をする。
そして、家康と話すうちにこの時代の医学は
まだ医学とは呼べないほどの
軽い傷を治す程度しか進んでいない事がわかった。
「 あらた様はやはり人気者でございますね。」
にこにこと相変わらずの笑顔で話す三成。
どうやら此処に飛ばされてから
安土城の中を書物を読んだり、
信長様の囲碁の相手をしたりで
うろうろするようになった途端に
何やらよくわからない噂が経っているらしい。
『 この時代も噂話を好むのか… 』
「 お前って三成に少し似てるよな、
自分の容姿に気づいてないらへんが。」
「 あらたが三成と一緒って…あらたが可哀想…。」
ー 意味がわからん…
自分の容姿も周りの反応も
気にしたことなど一度もない。
『 自分の容姿に興味はない…それより、
毎日ここに来るが…仕事はいいのか?』
ー 家康は少しでも医学を…って事で
此処に来てるのはわかるが…
「 そうそう、その事なんだが…
信長様からお前の身の回りの物を揃えに
城下に買い付けに行くように言われててな。
今から行こうかと誘いに来たんだ。」
そう言って茶を一気に飲み干すと
立ち上がり、行くぞと言われる。