第3章 御対面
「 お前こそあいつに警戒心もないのか。」
「 家康様は私の心配してくれているのですか?ありがとうございます!」
「 …一回、お前の頭の中を見てみたいよ。」
「 ??…ですが、あらた様は凄い学力の持ち主だと私は思います。字は読めませんでしたが、医学書は本当に素晴らしいものでした。」
その言葉に家康の顔が更に険しくなる。
「 お前、いつ見せてもらったんだよ。」
「 先程、ここにくるまでに見せて頂きました。」
「 …お前ってやつは、「 おい、あらた!俺にもその未来の持ち物見せてくれ!」
政宗は自分が座っていた場所から
ドカドカとあらたの側に行き
持ってきたものをまじまじと見始めたことで
政宗を筆頭にあれよこれよと
持ち物が奪われていく…
『 どうぞ…ご自由に。』
その光景はそれはそれは
自分が本当に疑われていたのか
疑問に思えるような、そんな状態だった。
ただ一人を除いては…
ー豊臣秀吉はまだ納得していない…か、
じっとその場から動かず
難しい顔でこちらを見ているだけ。
ー とりあえず、織田信長は信じてくれた。
ぼーっと頭の中でこの先どうしたものかと
考えていた矢先に織田信長に疑問を投げかけられる。