第3章 御対面
「 褒美目的でもないのか、おぬし…不思議な奴よの。」
『 俺の時代では人を助けるのもまた当たり前です。その当たり前をしたまでです。なので褒美はいりません。』
ー まさか褒美をくれるとは…
俺としては斬られるだろうと思っていたが…
『 それより…俺のパーカーは貴方がお持ちですか?』
「 ぱーかーとなんだ。」
『 羽織のようなものです。鼠色の…』
「 あぁ、あれなら俺が持っているぞ。異国の物の着物が気になってな。」
『 …あるならいいです。あの時に焼けて無くなったのかと思ったので。』
織田信長と淡々と会話をしている俺を
周りの人間はこの時、
信じられないと言った面持ちだったらしい。
「 …おい、あらたのやつ信長様に対して臆することなく淡々と喋ってやがるぞ。」
「 あぁ、それに珍しく表情も読み取りにくい。」
「 へー…光秀、お前でさえも手こずる相手か。そりゃ凄い奴が来たもんだ。」
「 医者を目指しているとも言ってましたね。」
くっくっと静かに笑う政宗に
家康が続く。
「 あれから調べてみたが…あらたの情報は何処にもない。未来から来たと言っていたが間違いないかもしれない。」
光秀がすっと目を細めてあらたを見る。
「 信長様はあらた様を気に入られたようですね。」
相変わらずにこにこと笑う三成に
ため息を零す家康。