第3章 御対面
一つずつ織田信長だけではなく
周りの人にも理解できるよう説明をすると
一つ一つ手に持ち確認しながら
話を聞いてくれた。
「 この時代では作れないような材質のものもあるな。」
『 …これでわかって頂けますか。』
俺の一言にまたニヤリと笑いこう告げる。
「 天下統一を成し遂げる俺を助けた幸運の男か…女なら更に良かったが…まぁ良い。」
くるりと踵を返しまた脇息に
もたれかかる様に座り、話続ける。
「 俺はお前が気に入った。未来から来たとなら尚更、命を助けてくれた褒美もやる。何が欲しい?」
「 御館様!まだ疑いが晴れてない者に褒美など…!」
未だ府に落ちない豊臣秀吉が
横から割って入るが
「 秀吉、お前は黙っていろ。決めるのはこの俺だ。」
「 ですが…、」
「 五月蝿いぞ、この者が俺を殺せるとでも?」
ー 豊臣秀吉はこんなのにも織田信長に忠実なのか…
『 俺は…褒美は要りません。』
また俺の一言に
周りの空気が静まり返る。