第3章 御対面
『 わかりません…。気づいたら本能寺の中に居て、咄嗟に貴方を担いで外に出ました。』
じっと前を見据えて
織田信長と言うこの男に伝える。
何もかも見透かしたような
鋭い目に威圧感。
歴史上に名を残すだけの人であって
ピリピリとした空気が流れる。
「 …ほぅ…で?未来から来たと申したらしいな。詳しく聞かせろ。」
『 …俺は500年先の未来から来たことになります。どう言う経緯でそうなったのかはわかりません。さっきも言いましたが…あの日、あの場所に気がついたらいました。』
俺の話に真剣に耳を傾けて
誰一人として発言しない雰囲気だったので話を続ける。
『 未来で医学を学んでました。証拠もあります。』
いくつか証拠の品として
持ってきたものを畳の上に広げる。
するとさっきまでゆるりと座っていた
織田信長が目を輝かせながら
俺の元まで歩いてくる。
「 ほう…誠に見たこともないものばかりだな…これは何と言う?」
『 それは医学書…この時代で言う書物みたいなものです。あとは… 』