第3章 御対面
「 あらた様をお連れしました。」
そう言って障子を開けると
そこにはある人を除いて全員が座っていた。
『 ……。』
「 あらた様、こちらに座って下さい。」
ど真ん中に通され
みんなに囲まれる形で座らされる。
三成自身も自分の場所へと座る。
「 今から御館様が来られる。聞かれたことはきちんと答えてもらうからな。」
豊臣秀吉がキッと鋭い目つきで話す。
あれ以来、彼だけが
俺の元には来なかった。
ー 一番疑ってるのはあの人か…
イライラしているのが
肌に伝わる。
そうなる気持ちもわからなくもない。
ただ今は発言したところで
火に油を注ぐだろうと思い、じっと前を見て
あの人が来るのを待つ。
すると奥の襖が開くと共に
あの時に助けた人が目の前に現れ
周りよりも少し高い位置に座った。
「 俺は安土城城主 尾張の大名、織田信長。天下統一を果たす男だ。」
脇息にもたれかかり
ニヤリと笑うこの人に
頭を下げて俺自身も名を名乗る。
『 …あらたと言います。』
「 あらたと申すか…して、何故あの場所にいた?」