第1章 500年前
この後に起きる事はただの偶然か…
それはわからない。
ー ピピピッ ピピピッ ピピピッ
『 …ん…ッゴホッゴホッ!』
タイマーの音に起きたと同時に
息もできないほどの煙が喉を通って咽せる。
喉の奥はジリジリと焼け、痛みを感じた。
『 ゴホッゴホッ! …何なんだッ…ゴホッ!』
一体何が起きてるのか…目の前の光景を見ても何が何だかわからず、とにかく肺に煙がこれ以上入らないようにパーカーの袖で咄嗟に口と鼻を塞いだ。
ー 寺なのか…?何でこんな所に…
自分は確かに電車に乗っていたはず…
煙であまり目があけれないが、今自分がいる場所は電車とはかけ離れたお寺にあることがわかった。
パチパチと火の音が聞こえ、煙が何処からともなく上がっている。
混乱する中でも、とにかく逃げなければならない事はわかった。
ー 確か鞄の中に…
片手で口を押さえながら、もう片方の手で
リュックの中から飲みかけのペットボトルを出し、
キャップを開けて頭からそれをかける。
ー 気休めでしかないが…
とにかく冷静に周りを見渡す。
何処から逃げればいいのか、火の手がどの辺なのか…酸素があまり回らない頭で考える。