第3章 御対面
ー 思ったより早いな…
『 わかった。』
「 あらた様、それは…?」
そう言って俺の手元に
あるものをじっと見る。
『 俺が未来から来たって証拠。』
「 これは…書物ですか?」
『 あぁ、この時代で良く読んでいる書物とはまた違うものになる。』
何冊か持っていた中の一冊を
三成に渡す。
「 これは…人の身体の中ですか? 」
『 未来では人間の身体の中がどうなっているのかはある程度は理解している。治せる病気も沢山ある。』
「 …なるほど、これは素晴らしいです。ですが… 字が読めませんね。」
物珍しそうに目を輝かせながら
ページをどんどん捲っていく。
『 三成が読めないように俺もこの時代の字は読めない。』
この時代のミミズのような文字は
暗号のようでさっぱりわからない。
だから横で家康が読んでいても
全く興味が湧かなかった。
「 あらた様は医者なのですか? 」
『 …なる予定だった。ここに来るまではな。』
そんな事を話すうちに
評定の間とやらに着く。