第2章 戦国武将
自分の目の前には
五人もの戦国武将がいる。
口々に得体の知れない俺を
どうするものかと話していて…
どうやら俺は
歴史上、あの寺で死ぬはずだった
織田信長を助けてしまった。
ー 漫画みたいなことが起きてしまったのか…
まだどっかで夢のような
フワフワした感覚に落ちていて
実感が湧かないないのだ。
でも今起きていることは現実で
この人達も存在して、
そして、自分はまだ生きている。
『 俺は…っ…あ…、ゴホッ!』
「おいおい、無理に喋るんじゃねぇ…。」
そう言って背中をさすり
俺の心配をするこの人が伊達政宗…
『 き…っきい…て…くれ…。』
さすってくれた手を掴み、
目を見て訴える。
このままでいても
喋れるまでに数日はかかるのは
自分自身がよくわかっている。
だから、必要最低限
今言えることだけを伝えなければ…
『 お…おっ…ゴホッ!』
「 おい!「 政宗さん待って下さい。」
政宗の声に割って入る三成と言う男。
「 きっと何か言いたいことがあるんです。聞いてあげましょう…。」
「 だか、これ以上こいつに喋らすと更に悪化して聞きたい事も聞けなくなるぞ!いいのか、家康!」