第2章 戦国武将
「 喋らせたくはないですが…いい?必要最低限だけ話して、それ以外は駄目だ。」
その言葉に頷き、かすれた声で話す。
『 お、おれはっ、あらた…』
空気が抜けたような声が
出来るだけ伝わるよう、自分自身を指差した。
「 名はあらたでいい?」
家康と呼ばれる人に聞かれ頷く。
「 変わった名だな、」
「 …身なりも変わっていた。」
あの時の俺を知っている2人が
思い出すかのように話す。
そして…
『 ご、ごひゃくねん…ゴホッゴホッ、さきからきた… 』
ー 500年先
自分で口にしてもまだ
夢の中に居るような。
フワフワした感覚は拭えなかった。